つながるコラム「絆」 vol.30 浜田市・菌床しいたけ
浜田市・菌床しいたけ
いわみ中央地区本部
岩倉純子さん
今回のピックアップは菌床しいたけ。浜田市で、菌床しいたけ作りに取り組む岩倉純子さんを取材してきました。長年市役所の職員として働いていた岩倉さん。元々農業には興味がありましが、ある時、農業振興に関わる部署へ異動になり、産直の担当になったことがきっかけでますます興味が出てきました。それから勉強も兼ねてJAの営農塾を受講し、農業の技術や基礎知識をつけていくうちに本格的に農業を始めようと決意。ちょうど色々なタイミングが重なった時期に農業一本の生活をスタートさせました。
しいたけ栽培は思ったよりも力仕事が必要
しいたけを選んだ理由は、目に見えて成長するのがわかるので楽しそうだったから。当時、周りの人から「しいたけは良いよ、きれいだし楽だけぇ、やりんさいや」という話を聞いていましたが、いざ始めてみると思っていたより力仕事が多かったそう。ハウスは業者に建ててもらいましたが、菌床ブロックを置く棚は周りの人たちにアドバイスをもらいながら自身で作りました。また、菌床は1年で栽培が終わるので、その都度新しいブロックへの入れ替えが必要となります。「聞いていた話と違うし、思ったよりも大変」と苦笑いする岩倉さん。
とにかく楽しい!毎日、しいたけ栽培に夢中
最初は、生えたものを収穫すれば良いと思っていましたが、栽培をしていくにつれ「やっぱり良いものを出したい」という思いが強くなり、毎日ハウスに行き付きっきりで管理をする岩倉さん。
普段からしいたけの様子をしっかり見ていないと絶好のタイミングを逃してしまうので、時間の許す限りハウスにいるのだそう。秋から冬にかけて出荷のピーク時は、朝6時半から収穫、袋(パック)詰めをして、9時半の集荷時刻に間に合うよう作業を進め、その後も夕方まで世話をします。おかげで、プライベートの時間や掃除をする時間もなかなか取れません。それでも、「しんどいとは思いません。楽しいです!」と笑顔を見せる岩倉さん。しいたけ栽培をやっていて良かったことは、やはり採りたての新鮮なしいたけをすぐに食べられること。自分で栽培を始めてから、改めてしいたけの美味しさを実感しています。おすすめの食べ方は「しいたけステーキ」。フライパンにオリーブオイルとにんにくを入れ炒め、しいたけを焼き、塩を振って少し蒸したら、最後に醤油をひと回し。これが本当に絶品で、いくらでも食べられるのだそう。
現在、栽培を始めて2年目。まだまだ手探りの状態で毎日試行錯誤を重ねていますが、家族の理解のもとで念願の農業を楽しんでいる様子。将来的には、ご主人に手伝ってもらいながらさらに収量を増やしていき、美味しいしいたけを皆さんに届けたいと考えています。
味わい深いしいたけを
菌床しいたけは原木しいたけに比べ、匂いやクセがないので誰でも食べやすいという特長があります。さらに、生で流通することが多いので肉厚でジューシーな味わいを楽しめます。肥料や農薬などは一切使用していない、安心・安全なしいたけをぜひご賞味ください。