つながるコラム「絆」 vol.27 飯南町・パプリカ
飯南町・パプリカ
雲南地区本部
中野良介さん
今回のピックアップはパプリカ。飯南町でパプリカの生産に取り組む、中野良介さんを取材してきました。中野さんは家族4人で神戸から飯南町へIターン。以前から「田舎で農業がしたい」という奥さんの思いに共感し、移住後は2年間の農業研修を受け、今は自営就農をしています。飯南町でどのように生活されているのでしょうか?中野さんの大きな目標に向かうストーリーをご覧ください。
充実した農業研修制度と地域との関わり
2年間の研修期間中には、研修先農家でパプリカ、メロンなどの栽培をしながら、初めて携わる農業の知識を身につけていきました。師匠からは苗の植え方から農機具の使い方などの基本的な技術はもちろん、休憩時間には今まで全く縁のなかった「消防団への参加、近所の葬式の手伝い、祭りの担い手」など、この地域で生きていくために大切なことを一から教わったそうです。最初は戸惑いながらも言われた通り様々な行事に参加していましたが、だんだんと地域の人との関わりが深くなり、今ではしっかりと信頼関係を築けるまでに。
中野さん「おかげで、近所の農家さんに気軽に質問できたり、農地を探している時に声を掛けてもらえたりと、"この地域の一員"として助けてもらうことが増えました。」
念願の自営就農スタート
研修を終え、「中野あおぞら農園」として自営就農をスタート。現在、中野さんが所有するハウスは12棟。約30aもの広い土地に赤、黄それぞれのパプリカの苗が所狭しと植えられています。飯南町のパプリカは、大きく、綺麗なベル型で定評があります。パプリカは一般的に夏の高温になると色付きが早くなり、実が小さいまま収穫されることが多いのですが、標高の高い飯南町では他の地域に比べ気温が低いので色付きも遅く、ひとまわり大きくなるまでじっくり育てることができます。
毎年、試行錯誤を重ねていく
中野さん「今年で6年目になりますが、実はまだ『これが自分のやり方』という決定的なものは見つかっていません。というのも、気候や条件が毎年違うので、やり方を確立するのはとても難しいんです。」 去年やったことを今年同じようにやってもうまくいかないことが多く、毎年、試行錯誤を重ねながら栽培を続けています。例えば、農薬の種類や、追肥の適切なタイミング、株をどのくらいの間隔にするか、何本仕立てが良いかなど、その都度試すことはたくさん。毎年、JAの担当者と一緒に考えながらパプリカ作りに挑戦しています。
飯南町をパプリカの名産地に
6次産業化の取り組みとして、今年からパプリカを使用したドレッシングの商品開発を、奥さんが中心となって本格的に行っています。それを足がかりに、今後は色々な販路を開拓し、生産の分野でも加工の分野でも同時に安定した収入を得ることが目標です。 そして、「将来的に飯南町をパプリカの名産地にしたいと思います。日本国内には、まだ圧倒的な産地がありません。だから、『パプリカといえば飯南町』と言われるようになるまで、一緒に生産していける仲間が欲しいですし、自分も協力して人材を育成できればと思っています。」と、これからの目標に向けて語ってくれました。