つながるコラム「絆」 vol.26 出雲市・シャインマスカット

出雲地区本部

極上の香りと甘さ、もっと多くの人に

出雲市・シャインマスカット

出雲地区本部 
桑原陽子さん

今回のピックアップはシャインマスカット。出雲市西園町でシャインマスカットの生産に取り組む、桑原陽子さんを取材してきました。

待ち合わせ場所のハウスに行くと、ハウスの奥から人影が。女性の新規就農者だと聞いてはいましたが、年齢も40代と若く、制服を着ていればOLさんそのもの。どうしてシャインマスカットの生産をはじめたのですか?とお聞きすると
桑原さん「もともとは夫が定年退職後に農業をしてみたいと話しをしていたところ、しだいに私も興味を持つようになりました。ちょうど子供の手が離れる頃と重なり、まずは私が就農しようとシャインマスカットの生産をはじめまることにしました」と就農のきっかけを教えてくださいました。

栽培ではなく、作品を創る



桑原さんは10aのハウス3棟でシャインマスカットを栽培。7月から8月にかけて出荷するため、3棟のハウスごとにビニールの被覆方法や暖房を炊くなどして温度を管理し生育スピードを調整。温度管理を行った後は勝手にブドウが出来上がるのかと思いきや、

桑原さん「とんでもない。時間がいくらあっても足りないほど作業があります。花穂が付いたら整形する必要があり、房元付近の2玉分の花芽を目印として残し、房先部分を残してほとんどの花穂を切除。その後実がなりはじめると粒を大きくして玉揃いを良くするため、摘粒など実施。房元の2玉は種が無くなっているかどうか、糖度が18度以上になっているかなどの収穫の目安に利用しています。また、玉が日焼けしないように紙の傘をかける作業もあります」と時間がいくらあっても足りないほど地道で繊細な行程はただ単にできたものを収穫するというより作品を製作するという感覚に近いのかもしれません。

人と人との繋がりを大切にした結果

桑原さんは出雲市アグリビジネススクールでブドウの栽培方法を学びましたが、それでもマニュアル通りにいかないことも多い。加えて就農当時は桑原さんの周りに農業を営んでいる人がいなかったため、相談できる相手もいませんでした。
桑原さん「講習会や青年部会などブドウに関する勉強会やイベントには積極的に参加しました。そうしたところ、だんだんと顔を覚えてもらえるようになりました。今では困ったことがあれば気軽に相談できる先輩農家さんが増え、マニュアルにはない、ちょっとしたコツや効率的な作業方法など教えてもらっています」と人との繋がりを大切にした結果、営農がしやすくなっています。

種なし皮ごと食べれる、シャインマスカット

取材した当日は完成間近の大きな玉で形の良いシャインマスカットが実りはじめていました。 桑原さん「私は2児の母ですが、子供や若者のフルーツ・野菜離れを心配しています。シャインマスカットは青ブドウながらも糖度が18度以上と高く、何よりも皮ごと食べれる気軽さがあります。酸味が少なくパリっとした食感で本当に美味しいブドウ。老若男女どなたでも喜んで食べていただけると思います」と以前はブドウといえば皮を剥かなくてはならない、種を出さないといけないことが面倒と感じる人がいたかもしれませんが、シャインマスカットの登場でそのブドウのイメージが覆りました。

贈答用に、自分用に。夏は出雲市のシャインマスカットで爽やかで幸せな気分になってください!



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