つながるコラム「絆」 vol.21 出雲市斐川町・タマネギ

斐川地区本部

種苗生産から栽培まで タマネギのプロフェッショナルが、ココ斐川町に!

出雲市斐川町・タマネギ

斐川地区本部 
常松種苗株式会社 
常松信光さん

斐川町は、中国山脈から宍道湖に注ぐ斐伊川下流に広がる出雲平野があり、米を中心とした農業地帯。出雲市と合併する前の旧斐川町時代から農業を基幹産業と位置づけ、JAと行政が一体となって農業振興の体制を確立してきました。転作での耕地利用も積極的に行われる斐川町で、タマネギなどの種苗事業を行いながら、タマネギ生産も盛んに行う農家さんがあります!
さっそく、タマネギの種苗生産から栽培までトータルに取り組む常松信光さんを、取材させてもらいました。

斐川町では以前は、タマネギを作っている農家さんがたくさんいました。ただ、タマネギは価格の変動が比較的大きいことや、輸入品も台頭してきたことから徐々に生産者が減少。野菜を作っている部会員は最盛期に200人を超える人数がいましたが、現在は数十人規模まで減少しています。ただ常松さんは、地域でのタマネギ生産が途絶えないよう、先代の父親から栽培してきたタマネギ生産を拡大。法人化し、種苗生産から出荷まで大規模に行っている。



常松さん「もともと会社勤めをしていましたが、農業に転じて15年になります。先代の頃は出荷までのすべてが手作業でしたが、機械化が進み、生産を増やして現在は3.8ヘクタールの面積で栽培しています」と、タマネギ生産のプロフェッショナル!

常松さん「種苗店から苗部会に注文を受け、部会員の一員として苗を作っていますが、おかげさまで高い評価を頂いています。その過程で自社でも本格的にタマネギ生産を拡大、種苗生産のかたわら、タマネギを栽培しています」とトマトやスイカ、ナスビやキュウリなどの野菜苗を春に販売。秋にタマネギの苗を出荷した後に、タマネギを定植し栽培している。

取材した当日は従業員の女性たちが7人、汗びっしょりで黙々と作業をしていらっしゃいました。訪れた日はちょうど収穫を終え、出荷作業の真っ只中で、7人がかりでの出荷作業とは、、。タマネギの出荷は大変なのですか?

頼もしい従業員たちと、
和みながらも、真剣に汗を流す

常松さん「収穫したタマネギの量はこのハウスの中を見ての通りです(笑)タマネギは先端の余分な茎と根っこをハサミで切って選別機に流し、大きさを分別します」と7、8人で作業を分担しながら、丁寧かつ慎重に目利きを行い、Sサイズから2Lサイズまでの大きさに選別。従業員さんの手際も見事なもので、それぞれが素早い手つきで業務を行っている。
常松さん「出荷も大変ですが、種苗生産はもっと大変です。適度な大きさや長さになった苗を品種ごとに100本単位、ワラで結んで出荷します。多い時で20万本位、出荷します。労力をとても要するので、従業員の力があってこその生産量です。ちょっと空いた時間や土日のみなど、それぞれの都合に合わせて働いて頂いていて、本当に頼もしい限りです」と従業員さんを第一に考えることで初めて事業が成り立つことを真摯な眼差しで説明された。

ところで取材して色々な大きさのタマネギがありますが、味の違いなどあるのですか?

早生は甘み、奥手はシャキシャキ感が楽しめる!

常松さん「大きさによる味の違いは特にないと思いますが、早生(わせ)の品種は一般的に甘く柔らかいです。また遅い時期にできる奥手の品種はシャキシャキ感を堪能することができます」と大きさではなく、収穫した時期や保存期間によって味や食感が変わります。美味しい食べ方などあるのですかとお聞きすると
常松さん「タマネギは日常的な野菜なので、それぞれの食べ方があると思いますが、焼く、煮るなどがタマネギの甘みを感じ易いと思います」と、実際に食べて見てくださいとなんと当日、タマネギを頂いて帰りました!ちなみに常松さんは、地元の福祉施設などにタマネギを配り、社会貢献事業を定期的に行っていらっしゃいます。

プロの作るタマネギは、
やっぱり美味しい!

さっそく家に帰ってからタマネギを実食しました!薄くスライスしてサラダに、ハンバーグにこれでもかとたっぷり入れて。サラダではシャキシャキ感がたまらなく美味しく、ハンバーグでは肉の甘みとコラボレーションして、いつもよりジューシで甘い、ザ・タマネギハンバーグ!常松さんのタマネギ、美味しいです!

出雲市の中でも斐川町は「農業の雄」と称されている農業先進地。地元産の野菜として必要不可欠なタマネギ作り、情熱を持って作り続けている。常松さんのタマネギが多くの方に届くことを願っています!

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