つながるコラム「絆」 vol.13 美郷町の白ネギ
美郷町の白ネギ
島根おおち地区本部
白ネギ部会
品川喜代市 部会長
島根県の中西部に位置する邑智郡美郷町。中国地方では最大の広島県と島根を流れる江の川の島根側中流付近で、白ネギが盛んに栽培されています。
今回取材した品川さんの農地は、標高が50m前後でしたが、そこは中国山地の麓、白ネギは砂地でも栽培されていますが、そこは自然豊かな場所。空気が澄み、透き通る水が流れている上、土で栽培している美味しい白ネギがあると聞き、お話をお伺いしました!
品川さんは農業を始めて50年の大ベテラン。当初からお米を作っていたが、20年前から、耕作放棄地や水田転作として白ネギ栽培を始めた。県内はじめ広島県などに出荷され、市場で高い評価を得ているという。
「島根おおちの白ネギ」とは、いったいどのようなものでしょう。
品川さんの白ネギ畑に行くと、なんとも青々とした白ネギの葉が整然と並んでいる。
品川さん「栽培方法は一般的なやり方で、植えてから定期的に土を寄せていって、白ネギの白い部分を伸ばしていくんよ」と管理機という小さな機械で土を寄せ、届かない場所は手作業で寄せていく。手作業で土を寄せるのは大変ですねとお聞きすると、
品川さん「土寄せよりも、収穫してからの作業に時間が掛かるけー。白ネギを手で抜いてから、一枚皮を剥いで綺麗にしてから、葉と根を切るんだけど、その作業が手作業で時間がかかるんよ。皆さんが普段見る白ネギと比べて、かなり葉が長いじゃろー」と出荷する前の白ネギを抜いて見せてくださいました。
白ネギは想像以上に葉の色がはっきりしていて、何より白い部分の艶やかなこと!実際見ると、テカテカしている様子をしっかり見ることができました。品川さん、味のほうはどうですか?
風味があり、なにより甘い!
邑智郡の白ネギは、白い部分が多く、柔らかで風味が豊かなのが特徴という。
品川さん「この辺りの冬場はかなり寒くなるし、柔らかい土と合わせて、栄養を蓄えようとしてか、特に甘くなるんよ。例えば天ぷらにして塩コショウでシンプルに食べたら、味がよく分かり、まいよ(旨いよ)ー!」と、その場で穫った白ネギを分けてくださいました。さっそく今晩、食べてみたいと思います!とお礼を行ってその日の取材は終了しました。
実食はシャキシャキ、
トロトロ!
取材班の私、頂いた白ネギをさっそくその日に、天ぷらにして食べてみました。天ぷらにした白ネギをシンプルに塩を少しだけ付けて実食。最初の食感はシャキシャキとした外側の部分の歯ごたえを感じた後、中からトロトロっとした白ネギが登場。とても柔らかく、確かにほんのり甘い!ネギというと独特の香りがして苦手な人もなかにはいる野菜だが、風味はクセの無い、白ネギの優しい香りといった感じで美味しい!うん、これは旨いと、品川さんの言葉通りの感想を持ちました。次の日には、寒くなれば鍋の季節ということで、鍋に入れて食べました。これもまた柔らかく、とっても美味しい白ネギなんだと、つくづく実感しました!
全国どこでも栽培されている白ネギ。ただ、島根おおち(邑智郡)の白ネギは島根の自慢の逸品です。皆さんも是非一度、ご賞味ください!
(2016年11月)