つながるコラム「絆」 vol.11 隠岐の島町・藻塩米
隠岐の島町・藻塩米
隠岐地区本部
隠岐藻塩生産部会
佐々木部会長・村上副部会長
隠岐島・島後、隠岐の島町は日本で8カ所しかない(2015年11月現在)、ユネスコ世界ジオパークの認定地域。綺麗な海に囲まれた、ここ隠岐の島町には、古来より伝わる製法をアレンジした「藻塩米」があります。今回は生産部会の佐々木会長、村上副部会長、JAしまね隠岐地区本部の広兼経済部長にお集り頂き、取材させてもらいました。
藻塩米とは、農薬・化学肥料を減らした特別栽培米で、穂が出てから収穫までの間に、島の特産の海藻アラメと海水を煮詰めて作る「藻塩」の水溶液を噴霧する独特なお米。
塩害という言葉があるように、塩分をお米にかけるなんて大丈夫なんですかと質問すると、
佐々木さん「極限までストレスをかけることで、植物の本能で養分をたくさん蓄えようとするんよ。これが美味しさの秘密です!」
村上さん「トラックで噴霧機を田んぼの脇に停めて、まんべんなく噴霧する作業は大変ですけど、毎年収穫が楽しみです。あっ、噴霧の回数や量は企業秘密です」と平成15年に試験栽培を開始して、今年で13年目になるが、試行錯誤を経て現在の栽培体系が確立した経緯を説明してくださいました。
また、広兼さん「こだわりの一つは、土壌作り。島の誰のお米でも同じ品質になるよう、土壌改良材など使用。すべての生産者の田んぼの土壌成分を統一してるんです」と詳細な栽培マニュアルを整備し、それに沿って誰もが作っているという。大きな産地だと品質にバラツキがある場合があると聞いたことがあるが、隠岐の島町では生産者全員で田んぼを巡回するなど、他には類を見ない徹底した管理で、高品質を維持してらっしゃいます。ところで藻塩米は、どんな味がするのですか?
甘み、香り、確かな食感
隠岐には名水百選の湧水・名水がいくつもある、離島でありながら綺麗な水が豊富で、お米作りには最適な環境。さらに土壌も日本では珍しいアルカリ岩からなり、本土よりも土の中にミネラル分が多い。藻塩米は、収穫前の稲に散布する「藻塩」の成分を、土と共に葉と根からたっぷり吸収したお米。
村上さん「まず、しっかりとした食感。お米の濃厚な香りに加えて、甘みがあるんですよ」
佐々木さん「とくに時間が経っても、ミネラル分を多く含むせいか、さらに甘みが増して、すぐ食べらん料理でも美味しいのが特徴ですよ!」
それを聞いた白米好きの取材班、想像して口の中に、、、、、唾液がたくさん出てきました。皆さん、どこで手に入れる事ができるんですか?
こだわりのトップブランドへ
藻塩米は、一般、特選、ジオパーク米(特選)と3等級あり、一般は直売所などで購入することができる。
特選以上は米粒の大きさも通常より大きく選別。農薬・化学肥料も特選は5割、ジオパーク米が7割減らして作った特別なお米。
広兼さん「特選以上はすべて、JA直営ライスセンターに集め、粒の調整や品質を管理。これでもかというぐらい厳しい基準で選んだ、とっておきのお米です!量販店には流通せず、味に精通する米専門卸業者さんを通して、全国のこだわりの米穀店で販売されています」
佐々木さん「現在は約120店舗で取り扱ってもらってますが、200店舗以上を目指してます。ちなみに、今年の穂も大きく、葉も固く、美味しいお米が出来ています!」
と特選以上の逸品は、全国の米穀専門店で買えるブランド米なんです。JAしまね隠岐地区本部に問い合わせがあれば、最寄りの販売店を紹介しているほか、ネット販売している米穀店もあるとの事。
村上さん「フェイスブックでも積極的にPRしてます!栽培風景など、ほぼ毎日更信していますので、チェックしてみてください!」
ブランド米として、全国の食通の方々に知られ始めている「島の香り 隠岐藻塩米」。
トップブランドとして登りつめる過程にあるお米に携わる皆さんの表情は、生き生きとしてらっしゃいました。
自信あります!島根には、いいもの、あるんです!
(2016年9月)