つながるコラム「絆」 vol.10 出雲平野・斐川の枝豆

斐川地区本部

枝豆の味って実はどんな味?

出雲平野・斐川の枝豆

斐川地区本部 
農事組合法人 かわひがし 
瀬崎組合長・井上副組合長

出雲市の東側に位置する斐川町。出雲平野として農業が盛んな斐川の出東地区に枝豆を栽培している農家さん達がいらっしゃいます。今回はJAしまね・斐川地区本部の西さんの案内で、農事組合法人 かわひがしを取材。瀬崎組合長、井上副組合長にお話を伺いました。

ここでは冬にキャベツ、春〜秋にかけて米を生産しているが、田植えから収穫までの農閑期を利用し、枝豆(大豆)を栽培。
瀬崎さん「何か特産品を作ろうと、枝豆を栽培して5年になーました」と。夏の労働力を余す事なく活用する目的もあり、枝豆の栽培を始めたきっかけを説明していただいた。

全国的に水田転作物として枝豆は栽培されており、ここでは遊休畑を利用して、200グラム入りの枝豆を年間1万袋以上出荷している。

栽培は4月に機械と手作業で種と苗をそれぞれ植え付け。土ならしや肥料、水分管理など、日々、組合一丸となって管理。収穫した後はサヤを機械で茎から外して水洗い、その後予冷庫で冷やし、選別機を使って2度豆を選定する。今年もすくすくと順調に育った枝豆が7月下旬頃から出荷が始まっている。
多くの人が枝豆を食べたことはあると思うが、どんな味かと想像すると、強いイメージが湧いてこない、というのが正直な印象の取材班。

ほのかに甘く、
子供にも大人気

率直に「枝豆は飲食店やスーパーなどで気軽に買って塩茹でして食べるイメージがありますが、斐川の枝豆は、味に違いがありますか」と聞いたところ、井上さん「近所の子供たちに配ったら、みんな美味しいって、おやつ変わりによーけ(沢山)食べて人気があーよー。大人の人も甘い味がして、まいわー(旨い)と言ってごさいのが、嬉しいですわ」
枝豆が甘い?話を聞いた時、枝豆が「甘い」というイメージがなかった取材班は興味津々に。JAしまねの西さん「私もこの枝豆を食べてからは、他の枝豆が食べれんくなるくらい、斐川の枝豆は甘さを感じます」
枝豆が甘いという感覚は予想外で口の中が食べてみたい唾液でいっぱいになってきた!

食べている実感と、
豆の香り

取材当日は出荷前で茎と葉の付け根からフサフサと育っている枝豆を見学。後日取材班は「収穫できたけん、少し味わってみるだわ」との皆さんからの一報を受けて直行。さっそく塩茹でにしていただいてみました。

「豆豆しい!」
噛み潰していくとほんのり香る豆の味が、口の中に広がり、その後じわじわと、優しい甘い味が!なるほど、美味しい枝豆は、こんな味がするんだぁ、と本物をまたまた知ることとなった。

島根の農産物は本当に良いものが多い野菜天国なのでは!
その数日後、飲食店のメニューで枝豆を見つけ、注文。皆さんから教わった「甘い枝豆」という味覚を知ってしまったからか、飲食店の枝豆と食べ比べて、斐川の枝豆は格段に美味しい事、身をもって確信したのでした!

斐川の特産品クラスに

スーパーのバイヤーなどから高い評価を得ている斐川の枝豆。しかし、収穫から出荷までの作業が普通の農産物より多いことで、人手が多く必要なのが課題。こんなに美味しい枝豆の今後の展開についてお聞きすると
井上さん「人手の確保が難しいけん、集まりやすい金・土・日の3日間で集中して作業するよう工夫してやっちょーよ。美味しい斐川の枝豆をできるだけ多くの人に味わってらいたいけん」

瀬崎さん「品種の選定をはじめ、試行錯誤しながらようやく安定して栽培できるようになーました。今後は規模を拡大して品質の良い枝豆を提供し続けていきたいと考えています」
いやー、主力である稲作の農閑期に栽培している枝豆とはいえ、食べれば分かる、すでに特産品クラスだと、取材班が食べてみた感想です。枝豆は県外への出荷は今のところ少なく、近隣のスーパーや、斐川のグリーンセンターなどで買うことができます。

甘さを感じることのできる斐川の枝豆、そう本物の味を知る事ができる枝豆なのです。

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