出雲地区本部

いちじく

いちじくの栄養

いちじくには、かなり多くの糖分(果糖・ブドウ糖)が含まれています。ビタミン類の含有量はそれほど多くありませんが、フィシンというタンパク質分解酵素をはじめとしていろいろな酵素が含まれています。フィシンは食べ過ぎやお酒を飲んだ後に食べると、消化促進作用や二日酔いを防ぐ効果があるといわれています。
またいちじくは、多くのカリウムも含んでいます。カリウムは、血圧を下げる効果があるので、高血圧や動脈硬化の予防に役立ちます。さらにペクチンをはじめとする食物繊維も多く含んでいるので、腸の働きを活発にし、便秘の改善も期待できます。

いちじくの収穫

JAいずも管内のいちじく栽培は多伎地区を中心に、出雲・平田地区で栽培されています。栽培品種は、多伎地区が「蓬莱柿(ほうらいし)」、出雲・平田地区は「ドーフィン」「キング」です。収穫時期は蓬莱柿・ドーフィンが8月上旬から10月末まで。キングは夏果専用種のため収穫は7月に迎えます。
いちじくの収穫は、朝6時から始まります。いちじくは果皮がやわらかく傷みやすいのでひとつひとつ丁寧に収穫します。収穫したいちじくは、果頂部が大きく開きすぎていないか、傷がないかのチェックをして、生果用と加工用に選果します。選果したいちじくは熟度や着色をそろえてパック詰めをして集荷場へ。集荷場で厳しい検査を受けた後、山陰・山陽・大阪・東京など17の市場へ出荷されます。

ここがポイント

◎選ぶポイント

ふっくらと大きくて果皮に張りと弾力があり、実の赤紫色が全体的に均一なものを選びましょう。果頂部が割れて、中が少しのぞいているくらいが、熟している証です。

◎保存のポイント

購入後は、乾燥を防ぐため冷蔵庫の野菜室へ。なるべく早めにお召し上がりください。

いちじくの里 出雲市多伎町

古くは「出雲国風土記」にもその名を残す出雲市多伎町は、神話の国出雲の西端、島根県のほぼ中央に位置する「海と光・緑と水」の豊かな自然につつまれた人情味あふれた町です。リゾートコテージの「キララ多伎」、「多伎いちじく温泉」、「風力発電・海風プロジェクト」などの町おこし活動も積極的に行われ、その観光の目玉となっているのが名産品の多伎いちじくです。8月中旬から10月の生食出荷時期はもちろん、通年化に向けてジャム、姿煮、ゼリー、ワインシロップ、干しいちじく、ソフトクリーム、 そうめんなどのいちじくを素材にした商品開発も積極的に行われ、全国に向けての販売体制も着々と整っています。

多伎いちじくの歴史 〜 始まりは一本の庭先いちじく 〜

水はけが良い土壌に、潮風、山おろし。こんな出雲市多伎町の気候風土は、南方育ちのいちじくにとって最適の土地でした。気温より暖かい海水は冬場の地温を上げる海風を生み、大敵である降霜の心配もなく、戦前まではどこの家の庭先にも一、二本のいちじくの木が植えられ、季節の味覚を楽しめる、町民にとっては非常に身近な果実でした。
この「庭先いちじく」はいつしか行商や近隣の青果店に卸されるようになり、その味の良さで評判になりました。その人気を受けてその後70年代から栽培が本格化し、次第に「多伎いちじく」の名はひとつのブランドとして定着していきました。

<<営農指導・販売事業へ戻る