コンプライアンス基本方針

 JAは、高い公共性を有し、農業者および地域の住民・利用者・企業のための協同組織金融機関として、農業の健全な発展、豊かな国民生活の実現、地域社会繁栄への奉仕に資するため、その社会的責任と公共的使命を自覚し地域発展のために尽力しています。

 このため、JAにおいては、これからもこうした社会的責任と公共的使命を全うする金融機関として、地域社会の負託に応え、これまで以上に揺るぎない信頼を確立していくため、次の5項目からなる基本方針を定めます。

1.JAの社会的責任と公共的使命の認識

 JAのもつ社会的責任と公共的使命を認識し、健全かつ適切な事業運営の徹底を図る。

  • (1) JAは、金融機関として貯金等の受入れや地域経済サービス機関としての物資の供給等、組合員や地方公共団体、企業等に対し必要な資金・物品等を供給することなどにより、経済活動にとって不可欠な資金決済機能、物品供給機能等を発揮し、ひいては経済・社会の健全な発展に資するべき使命を持っている。
    農協法第1条においては、「農民の協同組合組織の発達を促進し、経済的社会的地位の向上を図るとともに、国民経済の発展を期することを目的とする。」とし、さらにJAの定款第1条では「この組合は、地域の農業生産の振興を旨として、組合員の相互扶助の精神に基づき、協同して組合員の事業及び生活のために必要な事業を行い、もってその経済状態を改善し、かつ、社会的地位の向上を図ることを目的とする。」と規定している。
    このように、JAには、社会的責任と公共的使命が負託されており、併せて協同組合組織としての存在目的との両立が求められていることを役職員は常に意識して業務を遂行しなければならない。
  • (2) JAがこのような社会的責任と公共的使命を全うするためには、業務の健全かつ適切な運営と、それを通じた揺るぎない信頼の確立が不可欠である。
    このため、JAにあっては経営の自己責任原則を徹底するとともに、倫理に関するルールに経営トップ自らが率先垂範して取り組み、自己規律と自己責任意識を組織全体に浸透・定着させていく必要がある。

2.組合員等のニーズに適した質の高い金融等サービスなどの提供

 創意と工夫を活かした質の高い金融・経済事業機能の発揮により、系統信用事業の県域機関また協同組織としてのJAの役割を十全に発揮していくとともに、金融・経済システムの一員として、組合員・利用者および地域社会の発展に寄与する。

  • (1) 組合員等から真に頼りにされる金融・経済サービス機関となるためには、農業および地域社会の発展を常に考え、組合員・利用者および地域社会のニーズに合致した質の高い金融・経済事業機能を発揮することが必要である。そのためには、金融・経済サービス業務における環境変化に積極的に対応し、創意と工夫を活かした金融・経済サービスや各種の情報を提供することが重要である。
    JAはこれらに対し積極的に取組み、組合員・利用者および地域社会の発展に努めていかなければならない。
  • (2) 金融ビッグバンの実施に伴い、投信窓販等の元本非保証商品の取扱いも求められるようになった。それは同時に顧客トラブルにつながりかねないというリスクを含んでいるため、的確な商品知識に基づいた顧客への理解徹底や「どこまで顧客ニーズに対応するのか」という経営判断も重要となってくる。商品・サービスの提供者としての責務をこれまで以上に強く念頭に置き、日々の業務遂行にあたるよう努めていく必要がある。
     また、JAには金融商品・サービスの他、様々な業務において提供する商品・サービスがあることからこれらにおいても同様な責務があると認識し、日々の業務遂行にあたるよう努力しなければならない。

3.法令やルールの厳格な遵守

 関連する法令やルールを厳格に遵守し、社会的規範にもとることのない、誠実かつ公正な事業運営を遂行する。

  • (1) 金融取引においては、公正な競争の確保、顧客情報の公正な取扱い、マネー・ローンダリングの防止など遵守すべき法令やルールが数多く存在するとともに金融取引以外の業務においても関係する法令や業務規程など守るべきルールが定められている。これらの法令やルールについては、正しく認識して遵守するとともに、社会的規範を逸脱するような不健全な貸出や営業活動を慎み、常に確固たる使命感と誠実さに基づき公正な事業運営を行っていかなければ、長年に亘って築き上げてきた揺るぎない信用・信頼を確保することはできない。
  • (2) 法令等遵守(コンプライアンス)の着実な実践を確保するためには、その責任者を組織的に明確化するとともに、内部検査、外部検査、監事監査が有効に機能する体制づくりを進めていく必要がある。

4.反社会的勢力の排除

 社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては、毅然とした態度で臨み、これを断固として排除する。

  • (1) 社会秩序を乱すような反社会的勢力は、これを断固として排除するとの経営トップ自らの確固たる理念の確立とその実践を徹底することなしでは、より健全な経済・社会の発展に寄与することはできない。
    したがって、地域社会の秩序や安全に脅威を与え、経済・社会の発展を妨げる勢力とは断固として対決していく必要がある。
  • (2) 協同組織金融機関の場合は、株式会社の銀行とは異なり、総会屋といった問題は生じないが、それ以外、例えば暴力団などの反社会的勢力に対峙する危機には常に曝されているので、そうした反社会的勢力が介入した場合には事実の正確な把握と的確な対処、そして組織的に事態発生に備えた対応策・マニュアル等を作成するとともに、役職員一人ひとりが常に毅然とした態度で臨み、これら反社会的勢力に介入する隙を与えないことが重要である。

5.透明性の高い組織風土の構築とコミュニケーションの充実

 経営情報の積極的かつ公正な開示をはじめとして、系統内外とのコミュニケーションの充実を図りつつ、真に透明な経営の重要性を認識した組織風土を構築する。

  • (1) 地域社会から信頼を得て、地域での存在感を高めるためには、経営の健全性の確保が必要不可欠であるが、併せて地域の発展、JAの発展のためには、経営理念に基づくリスクテイクの実情を含め、経営実態を積極的かつ公正に開示し、金融および非金融サービスの提供を通じて、系統内外とのコミュニケーションの充実を図りつつ、真に透明な経営の重要性を認識した組織風土を構築していく必要がある。
  • (2) また、金融および非金融サービスの提供と併せてボランティア等の地域貢献活動を積極的に展開し、地域社会とのコミュニケーションを図っていくことも必要である。

附則

この方針は、平成27年3月1日より実施する。

平成31年1月4日改正