ベランダでも育てられる みんなのコンテナ菜園(スイートコーン)
スイートコーン
遅まきすれば失敗知らず
適期に定植・追肥・薬散・収穫
トウモロコシは、株先に雄穂(ゆうすい)が、葉のわきに雌穂(しすい)が別々につきます。この雌穂の粒が未熟なうちに収穫する野菜がスイートコーンです。
発芽と生育の適温は高く、5月に種まきし、盛夏に収穫するのが本来の旬です。これより前は気温が低く失敗しがちです。一方で8月上旬ごろまでの遅まきは、栽培期間を通し十分な温度が確保でき、栽培は比較的容易です。遅まきでは草勢と根張りが強く、株元に分げつ(わき芽)が出て、台風に耐え、高温下でも粒がしなびにくい中晩生や晩生の品種を使います。
雌穂の絹糸(けんし・めしべのこと)に他の株の花粉が風で運ばれ受粉するので、最低でも4株(プランター2つ分)は栽培しましょう。また大きな穂にするため、3回に分けて追肥を施します。さらに雄穂が出る頃から雌穂の絹糸が出る頃までの防虫も大切です。
「ゴールドラッシュ90」
暑さに強く、草勢が旺盛で
しなびにくく、遅まきできる
甘いスイートコーン
【基本情報】
●分類:イネ科トウモロコシ属
●原産地:北アメリカ(メキシコ高地)
●発芽適温(地温):25~30度
●生育適温(気温):22~30度
●日当たり:日なた ●好適pH:6.0~6.8
【病害虫情報】
アワノメイガ:雄穂に誘引され産卵する。幼虫は葉のつけ根あたりから茎または雌穂内に入り食害する。
アブラムシ類:葉、雄穂や雌穂の中に入り込んで生育を悪くする。出穂の頃に発生しやすいので早めに防除する。
スイートコーンの栽培方法
1 種まき
苗が小さくても鉢のまま植えつけられるジフィーストリップ(5cm角)へ培養土を入れ、種2粒を深さ2cmのところへ押し込む(写真1)。水やりしたら、雨が直接当たらない日当たりの良いところに置く。

ポイント
適温を維持して一斉出芽させる。5月に入っても地温15度を下回る場合は日当たりの良い室内などで出芽させる。
2 植え付け
本葉2~2.5枚でIB化成約54gを混ぜた土を入れた深型プランター(長さ55cm・約25L)へ、株間35cmで、苗は間引かずそのまま2鉢を植え付ける(写真2)。根づくまでは乾燥に注意して水やりする。

ポイント
苗を老化させないよう必ず本葉2~2.5枚で植えつける。
3 間引きと最初の追肥
本葉5~6枚で残す株や分げつを傷つけないように、ハサミを使い地際で切り、1カ所1株にする(写真3)。
間引きに合わせて1株当たり化成肥料(NPK各成分8-8-8)約16gを施し、土と混ぜ、水やりする(写真4)。


4 害虫防除と2、3回目の追肥
重大害虫のアワノメイガは、雄穂が出る頃に葉裏や雄穂に産卵する。葉が筒状になった株の中心に穂が見えたら(写真5)、株全体にBT剤※1などを散布する(写真6)。1週間ほどして雄穂がしっかり出たら雄穂と葉の付け根を中心に2回目を、さらに雌穂から絹糸が出て2~5日した頃に絹糸を含め全体へ3回目の薬剤散布をする。2回と3回目の追肥は、最初と3回目の薬剤散布に合わせ1回目同様に施す。


5 授粉
雌穂から絹糸が出たらプランター2個を並べ受粉しやすくする(写真7)。晴れた日の午前10時ごろに茎を軽く叩き花粉を舞わせ授粉させる。受精後、絹糸は茶色くなる。乾燥に注意して毎日水をやる。

6 収穫
絹糸が出始めたら平均気温(気象庁HP参照)を積算して500度になる日を収穫の目安にする。予定日の2~3日前に穂先の粒の充実を確認して(写真8)、収穫する。

※1 微生物のバチルス・チューリゲンシスから作られた自然由来の農薬
※温暖地を基準に記事を作成しています。
出典等
出典:(株)日本農業新聞「JA広報通信」4月号
写真・文:園芸研究家●淡野一郎 写真©ICHIRO AWANO












