ベランダでも育てられる みんなのコンテナ栽培(エダマメ)
エダマメ
失敗の少ない夏まきがお勧め 摘心してさや数を増やす
エダマメをビールのおいしい6~8月の夏に収穫するには、温暖地ならば3~5月に春まきする必要があります。ただ気温が4月までは低く、5月は安定せず、発芽に適した地温を保てず失敗しがちです。
一方で、気温が十分に上がる夏まきなら手間をかけずにおいしいエダマメが秋に収穫できます。その場合の種まき適期は、7月下旬~8月下旬で、開花が高温時期に重なりさやが付きにくくなる梅雨どきは避けます。
夏まきは品種選びも大切です。気温が高いと開花や収穫が早まる極早生~中早生の品種を選びます。
もう一つ、出芽までの水やりの方法も重要です。エダマメは、出芽に多くの酸素を必要とするので、種まきしたらたっぷり水をやり、その後は出芽まで控えるようにします。
▲茶豆風味で3粒さや率が高く、夏まきにも適した早生品種「おつな姫」
【基本情報】
●分類:マメ科ダイズ属 ●原産地:中国東北地方
●発芽適温(地温):25~30度 ●生育適温(気温):20~25度
●日当たり:日なた ●好適pH:6.0~6.5
【病害虫情報】
ダイズサヤタマバエ:幼虫が未熟なさやの中で豆を食害する。夏まきで発生が多い。
ワタノメイガ:葉を幼虫が巻いて中から食害する。8、9月の発生が多い。発生したら手で捕殺する。
エダマメの栽培方法
1 種まき
鉢のまま植えられるジフィーポットにピートモスと赤玉土(細粒)を等量混ぜた土を入れ、種3粒を指で押し込む(写真1)。新聞紙の上にポットを置き、水をやったら、日当たりの良い、雨がかからない軒下などに置き、新聞紙をかける(写真2)。
【ポイント】
土が乾くようならポットの下に敷いた新聞紙へ水をやる。適温ならば3、4日で芽が出始める。出芽後は上から水やりができる。
2 間引きと植え付け
種まき後5~9日ほど、本葉(初生葉)2枚が開き切る前に間引いて2株にする(写真3)。IB化成16gと過リン酸石灰を約8g混ぜた土を入れたプランター(長さ60cm・深さ19cm・14L)に、15cm間隔で8株4鉢をジフィーポットごと植え付ける(写真4)。
【ポイント】
本葉2枚が開き切る前に必ず植え付け、苗の老化を避ける。
3 増し土
植え付け後9~13日で、初生葉を含む本葉6枚が開いたら株元に土を足す(写真5)。
4 摘心・追肥
さらに14日前後の開花が始まる頃に、本葉6枚を残して芽をはさみで切り(摘心・写真6)、葉の脇から出る側枝を伸ばす。併せて普通化成(NPK各成分8-8-8)約8gを施し(写真7)、土を株元に寄せておく。
【ポイント】
開花後は、さやを充実させるため、土が乾かないように注意する。
5 収穫
夏まきの場合、収穫は種まき後55~65日ほど。株の真ん中あたりのさやが膨らんできたら、株ごと刈り取って収穫する(写真8)。
【ポイント】
株から外したさやは鮮度が落ちやすいので早めにゆでて食べる。
栽培カレンダー
写真・文:園芸研究家●淡野一郎 写真©ICHIRO AWANO
出展:(株)日本農業新聞「JA広報通信」6月号