前 JAしまね組合長35(竹下氏) まず、当時島根県内11農協の足元が明るいうちに合併を実現された萬代初代組合長に、心からの敬意を表します。◆一番の思い出◆ 平成26年6月、政府による農協改革の内容が発表されました。当時の規制改革推進会議の金丸座長や、自民党農林部会長に就任された小泉進次郎さんから、農協に対する厳しいバッシングがありました。JAグループの改革の取り組み内容によっては、信用共済事業の分離と准組合員の利用規制という、具体的に踏み込んだ話もありました。 それに対して、全中を中心に『JA改革は自分らの手で成し遂げる』という方針を立て、JAしまねでも当時の役職員に話をし、県下一丸となってJA改革に取り組んできたことを昨日のように覚えております。例えば、改革のワッペンを作成し、職員が身につけることで、職員はもとより組合員の皆様にもJA自己改革についてご理解いただけるよう、最重点課題として取り組みました。 このころの政府の言い分としては、営農分野を放っておいて信用共済に力を入れすぎているのではないか。農協は「農協のための農協運営」をしているのではないか、という事でした。しかしながら我々JAしまねは、『常に農業者目線で、農業者が儲かるために何をしたら一番いいのか』ということを考えていました。 まず、目に見える改革として、資材価格の低減を実現するためにプロジェクトを立ち上げ、1円でも安く提供する取り組みを行いました。販売面においては1円でも高く生産物を売る、信用事業においては貸出金の金利を1円でも安くしていこうと提案し、儲かる農業実現に向けて取り組んできたつもりです。シンプルに言いますと、正・准問わず組合員の皆様がJAを選んで頂き、ご利用頂くことで、最終的には儲かる農業の実現を支援するのがJAのあるべき姿であると思っていますし、この姿勢は現在も変わらず続いていると思います。◆県との連携◆ ほかにも、島根県は当時、農業生産額目標を定めておらず、また農協も目標がなかったことから、県に働きかけて島根県で730億円という目標を設定して頂きました。丸山知事と協定書を交わして、農業分野の新たな施策や助成金を確立するなど、島根県とJAが一丸となっての農業振興への取り組みが出来たと思っています。 農水省が認定農業者に対して行ったJA改革に対するJAの取り組みに関するアンケートでは、最初は惨憺たる結果で、大変な危機感を抱きました。その後の役職員の努力もあり、農業者との直接対話を実施するなどし、徐々にアンケートでも高い評価を頂きました。竹下 正幸INTERVIEW
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