元 JAしまね組合長25(萬代氏) 良い企画をしていただきまして、ありがとうございました。◆統合への思い◆ 私も地域の皆さん方と年数かけて合併にむけての汗を流したわけですが、作るまでにはそれなりにいろんな苦労もさせていただきました。 一番思いますのは「合併してよかった」と言われることが一番大事だというふうに思っておりまして、そういう意味では合併の時にいい約束をしたことがいろいろありますが、今後もそのことを大切にして守っていってほしいと思っています。◆地区本部制で切磋琢磨を◆ 特に、11の地区本部がお互い切磋琢磨して地域を盛り上げるという基本的な考え方についてです。 例えば貸付について、地区本部が権限と責任を持って貸付を増やす努力をするという制度を皆さんと相談して決めましたが、今では本店集中方式に修正されました。 それから、賃金についても、11の農協のあいだで経済環境にも差があったわけで、独立採算の考えとして低い賃金の地区本部は頑張って高くする努力をしてもらうことが必要だということを決めました。これを一本化すると必ず切磋琢磨の考え方が薄れてくるだろうと思います。 農産物の販売等々の面では地区本部制のうえでの切磋琢磨の努力でもって、それぞれが販売努力をしていこうということです。 しかし、一方では、指導体制などは合併前の単協という垣根を取り払って、全体として強力に施策をすることができるし、肥料飼料を県内一本で扱って大量購入して農家も合併のメリットを享受して、良かったと言われるような努力をするという考えなんです。 また、例えば一つの地区本部が10億円の利益を出したとして、「全部をその地区だけで還元しろ」などとは全く言っていません。一部は地区本部だとしても、残りは全体で活用することが、協同組合である農協として当然のことです。 統合後最初の一年数ヵ月は始まって間がないことですから、今言ったような、統合での議論をしたことをそのまま運営に反映させたというふうに理解をしているし、方向性は間違ってはいなかったというふうに思っていますが、早くもそれが少し揺らいできておりまして、心配をしています。 いろんな問題が新たに発生したということもあって、計画どおりにはいかないことはあるだろうけども、時間をかけて一つの方向性を出したわけなので、それをまずは実行するためにもう少し努力してもらいたいという思いがあります。 切磋琢磨するという基本精神だけは、どうい萬代 宣雄INTERVIEW
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