JA統合10年記念誌デジタルブック
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18 運営体制について、理事会制あるいは経営管理委員会制での小規模地区本部への役員定数の割当てと権限についてや、本店主導の中にあって地区本部の主体性の確保に苦心した。また、店舗統廃合が求められるのか、組合員や行政との関わりがどうなるのか、職員の異動、さらに賦課金徴収が必要となるなど、解決すべき課題があった。 協議の結果、地区本部制と理事会制を採用することで決着するとともに、支店は存置、職員の本支店間の異動も必要最小限となった。 また、賦課金徴収も座談会での説明の結果、組合員の理解を得られた。 統合は11JAが一つになることが大前提で、自分のJAだけが離脱することとなる事態は避けたいとの大きなプレッシャーのなかで、組合員へ説明を行ってきた。また、理解を得るためには、小さな地区本部がJA内で埋没したり独自色が薄れることがないように、組合員の声を本店に確実に届ける手法の確保に腐心して協議に臨んだ。 JAを取り巻く環境は急激に変化しており、組合員は概ね統合賛成ではあったが、一部には疑問視する声もあった。 これに対しては、規模の大小や財務状況によって統合条件が課されることはないことや、組合員は平等に統合メリットを享受できることを強調した。 また、財務調整基準に達しない地区本部は改善に取り組むこととなったが、このことは対等合併を担保するために必要な措置であることを説明した。 独立採算制の導入については、地区本部の努力が明確に反映され、結果として基準達成が想定よりかなり早く実現したこともあり、この制度の導入は良い選択であったといえる。 合併10年を迎えるにあたり、組合員から「統合して良かった」との声を聴くことができれば、統合に携わったものの一人として最大の喜びと考える。

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